採点・評価、かくあるべし。

横浜/山下公園にて撮影

採点・評価、かくあるべし。

――今週の授業場面を振り返りつつ(2017/6/10深夜のツイートまとめ)

うちの塾には、他塾にも通いながら通っている生徒が多い。で、その他塾の模試等の結果を見せるようによく伝えている。すると、できのよかった答案のときだけ持ってきて、できの悪い答案のときは持ってこないという子が出てくる。

できのよい答案のとき、子どもはきっと「ほめてもらえる」と思っているに違いない。提出するときの空気で分かる。でも私は必ずしもほめない。逆に、できの悪い答案だと苦言を呈されると思っているんだろうが、その場合も必ず苦言を呈するというわけでもない。

じゃあ基準は何かと言えば、「教えた技術を活用しようとした形跡があるかどうか」。たとえ点数がよくても、教えた技術を活用した形跡がなければ、それは単にもともとの才能あるいは運で乗り越えただけ。逆に点数が悪くても、教えた技術を活用していればそれは成長のプロセス。

もともとの才能で乗り越えている子は、必ずどこかで限界が来る。壁にぶつかる。半端に才能のある子は、危険。そういう子に、私は直接言う。あなたは頭がいいので危険だよ、と。けげんな顔をするが、よく話すと伝わる。

教えた技術を教えたとおりの場面で意図的に活用できている子は、たとえそのテストで結果的に得点に結びついていなくとも、必ず伸びる。そういう子は、答案を見ればすぐ分かる。あとは時間の問題。どれだけ根気よく継続して学ぶかにかかっている。

私が子どもを褒めるときというのは、だてに褒めているのではない。そういうところをちゃんと見抜いて褒めている。だから、親・保護者のみなさんには、私の褒め言葉を信じていただきたい。「でも結局は点数が低いでしょ」なんて言う親は、教師も子どもも信じず点数だけを信じるダメ親

模試の結果なんてものがいかにアテにならないかというのは、ちょっと検索すればすぐ分かる。大手であればあるほど、ど素人バイトが採点しているのだから。

採点バイト当事者たちのリアルタイム・ツイートを見てみる→ http://ow.ly/a7cG30c6H4Z
Benesse採点者のツイートを見てみる→ http://ow.ly/qNFF30cGjHU
四谷大塚のバイト募集を見てみる→ http://www.yotsuyaotsuka.com/company/saiyou.php
SAPIXのバイト募集を見てみる→ https://www.sapientica.com/corporate/recruit/part-proctor/
Benesseのバイト募集を見てみる→ https://gogo.fine.ne.jp/saiten1/AnnounceSelection
河合塾のバイト募集を見てみる→ http://www.kawaijuku.jp/recruit/kawaijuku/cat4/index.html
東進のバイト募集を見てみる→ http://www.toshin.com/nagase/staff_contents9.php
その他……全国学力テストの採点のいい加減さについての記事→ https://news.yahoo.co.jp/byline/maeyatsuyoshi/20170621-00072370/

参考→ 総合得点や偏差値だけで我が子を不当に断罪するなかれ!
「できる子ほどできない(得点できない)問題」というのも、多々存在する。「不備4」参照→ 大学入学共通テスト(センター試験新テスト)モデル問題例「12の不備」を追及する

なお私は「努力をほめよ才能をほめるな」というタイプではない。私は「努力はもちろんほめる才能ももちろんほめる」派。ただし、たかだか小中高校生が「才能がある」と言ったって、教科的な知識技術の体系性には穴がたくさんある。半端に才能があるとそういう穴に気づけないから危険だというだけの話。

それにしても子どもたちの「誤答」は多種多様である。今週もたくさんの記述答案を採点したが。まったく考えていないダメ誤答もあれば、鋭い考察を行った結果の誤答もあり、あるいは個性あふれる驚きの誤答もある。

その1つ1つの誤答が「なぜダメ誤答なのか」「なぜ惜しい誤答なのか」「なぜ優れた誤答なのか」について、私は授業中の個別指導の場で個々の子に端的に伝えている。子どもと対話して答案の意図を確認した上で。

たとえ記述答案の点数が10点中 0~3点程度でも、「後半はおかしいけど前半は素晴らしい。でも文で大事なのは後半だから、仕方ないね」とか「あなたは設問の指示に従わなかったけれど、考えるプロセスはかなりハイレベルだよ」とか、そういう声かけを毎度毎度行っている。

明らかに間違いだけどそういう発想はすごく面白いから、読解以外の場で役立つと思うよ」などと言う場合もある。

正答の場合も実は多様。「あなたは真っ先にできたね。小6なのに、昨日の高校生よりも早い。素晴らしい」などという場合もあれば、「これ全部正解してるけど、さっき同様の問題で全然できてなかったよね。どう考えて書いたの?」などと確認する場合もある。後者はカンニング防止の意図もある。

とまあ、個別にあれこれ伝えながら、記述採点指導を行っているわけだ。

なに書きたかったんだっけ? まあ、授業の場面をちょっと再現しておきたかったのですよ。これまとめてサイトに載せます。

そろそろ、8月6日「書く力」セミナーの方向性を定めていかねばならんのだが。正直なところ、現場ではそういう”せめぎ合い”が繰り広げられているので、そういう「超具体」のレベルまで落とし込まないと伝わらない部分というのがあるんだよな。

有志生徒からノートを借りて、その現物を書画カメラで見せながら、授業の場面を再現するという手もあろうかと考えたりしているが。

ああ、そういえば。今週授業して確実にわかったことが1つ。

子どもたち、小中高校生問わず、みな「――」を知らない。ダッシュ(ダーシ)。小説の中のダッシュを含む一節を抜き出しさせた時、95%の子がこれを「1マス」で書いてきた(わが塾では答案を原稿用紙タイプノートに書かせている)。1マスでは、音引き(長音符)になってしまう。当然、2マス使わなければならない(本文(文庫本)でもそう表記されているのに、勝手に1マスにしてしまうのだから困る)。
逆になぜか10マス使って書いてきた強者もいた(真面目な顔で)。おそらく音引きが短く省略されたものだと思ったんだろう。
ダッシュは小学3年(上)の教科書に出てくる(光村)。なのに、小学校で教わらなかったのかと聞くと、覚えがあると言う子は1割以下。アクティブラーニングなんてやってるからこういうことになる。

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