物語文読解における暗黙のルール/教師が〈解〉を持つことの重要性

軽井沢にて撮影

物語文読解(気持ちを問うということ)――2011/11/29の連続ツイート

SAPIXテスト(11.23実施、6年)解いたなう。アニメみたいな文章だった(物語文)。やれやれふう。
posted at 02:45:08

まあ比較的良問が多かったように思う。ただ、問3の「外見」と「内面」の対比に気づかせる設問は記述にしたほうがよかっただろう。「外」と「内」の文字を埋めさせるだけの問題になっていて、もったいない。人物の対比的特徴を問うわけだから、重要度は高い。他の設問を減らしてもこれを記述にすべき。
posted at 02:51:49

問6は面白い。問い方も適切。問1もまあ設問化したいのは分かるが問い方が微妙。「ハルがこのように感じる『勝子』の様子が比喩を用いて表現されている一文」という部分の意味がとらえづらい。子どもの頭に「?」が飛び交うような問い方はやめてほしい。しかも抜き出し。子どもの時間をむやみに奪う。
posted at 02:56:26

それにしても思う。「80字以内で説明しなさい」という指示の設問であっても結局のところ答えの骨組みはせいぜい20字。それについては明確な採点基準を設けられる。だがあとの60字には基準を設けづらい。隠された基準、暗黙の「書き方(=型)」を知らないと得点できない。ここが大きな壁になる。
posted at 03:02:43

たとえば問4ならば、「AでありBでもあるので、C。また、DでありEでもあるので、F。」というきれいな型が模範解答になっている。CとFには心情(思い)が入る。で、設問は「どんな思いとどんな思い?」と問うている。つまり、CとFだけでも解答になっちゃう。なのにABDEを暗黙に要求。
posted at 03:07:36

要するに、心情を問われたら、その心情に至った経緯・原因を明示しないと得点は半減するというわけ。設問は「C(心情)」だけを問うているように見えても、「A・Bという事実が原因でCという心情になった」と答えないといけない。これが、物語文読解の暗黙のルール。
posted at 03:10:11

しかし思うに、「どんな心情?」と問われているのだから「こんな心情」とだけ答えるのが過不足のない答えだと考えるのが自然。なぜそこに、原因まで明示しなければならないのか。だったら、「原因も添えよ」という意味の指示が必要なんじゃないのか。
posted at 03:13:04

まったく、入試国語の暗黙のルールというのは不自然だ。まあ、不自然だからこそ暗黙なんだろうけどね。
posted at 03:14:04

しかも、そういった暗黙の型について、授業で明確に指導していないのではないかと疑いたくなることも多い。「暗黙」のルールを「明確」に伝授するのが塾の役目であろうに、それを教えないでどうする。どうやって得点すりゃあいいの。ちゃんと教えてるのかね? 大手塾の先生方は。
posted at 03:15:53

ちなみに、そういった暗黙のルールについては、私の著書にちゃんと書いてある。興味のある方はぜひ、「本当の国語力」が驚くほど伸びる本などを。
posted at 03:17:41

ところで。今度は学校の授業。物語文と言えば、学校でも「心情・気持ち」をこれでもかというくらいに問う。この「気持ちオンパレード」の授業が批判の的となってきた経緯はもはや過去のこと。問題にすべきは、「気持ちを問うことの是非」ではなく、「答えを用意するかしないかの是非」なのである。
posted at 03:22:54

進学塾も学校も、登場人物の心情を問う。ここまでは同じ。しかし、進学塾は心情の模範解答を用意する。一方の学校は模範解答を(ほとんど)用意しない。さて、これはどちらが良いのか?
posted at 03:25:34

言うまでもなく、心情の模範解答を用意する方が良い。学校の授業が散漫になり面白くないのは、なんでもかんでも許容し、「ああ、そんな答えもあっていいよね」「なるほどね。それも正しいかもしれないね」などとごまかすからだ。むしろ「答えはただ1つ!」と言われた方が子どもたちの意欲は増すのに。
posted at 03:29:39

答えが1つに絞り込めないような問いも、もちろんあってよい。しかし、突き詰めて考えればそれは2つか3つにまでは絞り込める。それを、多様性・個性尊重の名の下に、「いくつあってもいいんだよ、国語の答えは1つじゃないからね」などと語る教師はニセものだ。
posted at 03:35:09

そういう教師は自分で突き詰めて考えていないのだ。自分で「解」を出していない。もし答えが2つまでしか絞り込めないならば討論の授業を展開すればよい(それをできる時間的余裕があるのが学校)。それでも、討論の最後に「じゃあ先生はどっちなの?」と問われたとき解を持っていることが重要である。
posted at 03:38:48

解を持つというのは根拠を持つということ。2つまで絞り込み討論をした後で、「じゃあ先生はどっち」と問われた時、「どちらも正解」ということもあり得るとは思う。しかし、「Aはこういう根拠がありBはこういう根拠がある」と言えたとき初めて子どもは納得するのだということを忘れてはならない。
posted at 03:42:21

ここでまた進学塾に戻るわけだが。大手塾の解説解答を読んでいると、その「根拠の説明」がきわめて不親切、分かりづらい。選択式問題の場合などは特に顕著。Aが解答のとき、「BでもCでもDでもないから」式、あるいは「Aに決まってるでしょ」式の説明が目立つ。根拠になってない。親も子も「?」。
posted at 03:44:54

忙しい中、やっつけ仕事で解答を書いているのかなあ、それとも、紙面節約の都合なのかなあ、などとあれこれ想像しながら、模試の解答を読む。どうあれ、不十分であることは確実。一方で、大学入試予備校の模試の解説解答は、分厚過ぎる。無駄が多い。全部読む人、少ないんじゃないかな。
posted at 03:48:43

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