優れた国語教師と愚かな国語教師の分岐点

横浜・ランドマークタワー展望台スカイガーデンにて撮影

模範解答と異なる答案を前にして立ち止まれるかどうかが、優れた国語教師と愚かな国語教師の分岐点。

授業終了なう。

ある名門私立中の中学生が持ってきた中間試験。生徒の記述答案のほうがハイレベル。教師の模範解答のほうが低レベル。しかし生徒はバツを喰らい0点。というパターンが2問も存在。むしろ教師の模範解答は誤答。2問で10点とすると、相対的に20点分、順位が逆転することになる(正解者が減点となり、不正解だったその生徒が加点となるので)。

許されない。

その生徒には、「あなたの答えは素晴らしい。自信を持って」と伝えておいた。もちろん、お世辞でも慰めでもない。明確な根拠をもって伝えた。

「思考の結果(ゴール=答案)を見ればその思考の過程(プロセス)を推測できる問題」こそが、良問。

教師に求められるのは、そういう良問を生み出す能力。そして、正確な採点を成し得る能力。いつも生徒の思考プロセスをとらえようと思っているかどうか。そこが分かれ道。

教師への怒りと、「逆の採点」をされたその生徒への哀れみとで、涙が溢れ出てしまった。

ハイレベルな子ほど採点でバツにされ受難の結末をたどる。それが国語読解記述設問の残念な〈常識〉。

ハイレベルな子の能力を、根拠をもって評価できる教師を増やさなければならない。

そのためには、教師がもっともっとハイレベルになるしかない。

アクティブラーニングすべきは、生徒ではなく教師だ。

さっき生徒に説明した内容を、A4・1枚にまとめておいた。いつかセミナーなどで紹介できるように。(むろん学校名と個人名は出さないが)

さっきの生徒の何が素晴らしいって、「自分はこれこれこういう理由で、この言葉を外し、この言葉を入れたんですが、学校の先生は、こうだからダメだと言うんです」と、綿密に説明できること。既に終わったテストにもかかわらず、そのときの自分の思考プロセスを明確に再現できる。いつもそう。頭いい。

そういう頭の良さというのは、その生徒と日々一緒に過ごしていれば、教師たるもの、気づくはずなのである。そして、そういう生徒が模範解答と違う答案を書いてきたときには、「む? この子のことだから、深く考えたに違いない」と、踏みとどまれるはずなのである。

ところが、話を聞くとそういうことがあった様子もなく、安直で定型的な「誤答の理由」を提示されたに違いないと分かる。辛い。単に正解を誤答認定されただけでなく、その生徒の「素質」をちゃんと見てくれていないという点で、二重に不幸だ。

 

以上は2016年06月03日のツイートの一部をまとめたものです。

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