中学受験で第1志望校に落ちたほうが”よい”理由

横浜・大さん橋にて撮影

~ 志望合格できなかった子と、そのお母さんお父さんへ ~
2009年のメルマガログ(一部加筆)
この2月の中学受験も今やすっかり終わり、小学6年生とそのお母さんお父さんは、よかれあしかれ、力の抜けた状態でお過ごしのことと思います。本当、お疲れさまでした。
志望合格できなかった子、そしてその親のみなさんの中は、もう既終わったこととはいえ、やはりまだ時折、「あのときこうしていれば…」「あれがいけなかったのか…」などなど、心の中訪れる後悔の念を振り払うの苦労している方も、いらっしゃるかもしれません。
そんな方、次の言葉を贈ります。
鶏口となるも牛後となるなかれ
言わずと知れた言葉です。
牛の尻尾ついているより、鶏のくちばしとなれ。
ハイレベルな集団の中で「最後尾」ついているよりは、たとえそれがワンランク下の集団であっても「リードする立場」いるほうがよい。
そういう意味です。
希望通り、志望のハイレベルなA中学入学できていたとしたら、今はきっとハッピーでしょう。
しかし、当然のことながら、その中学入ってからは、ハイレベルな生徒たち囲まれながら、ハイレベルな授業を受けることなります。
それは、とりもなおさず、「落ちこぼれてしまう」「相対評価(要する順位)が下がる」といった危険と隣り合わせなる、ということです。
、レベルの高い中学入学したのはよかったのだが、授業や定期テストが難しすぎてついていけないとか、周囲の生徒の能力が半端じゃなく、劣等感悩まされ始めているとか、そういう話をよく耳します。
「何を言っているんだ。うちの子は、もし受かっていれば、最後尾なんかならないぞ」
そういう声も聞こえます。
もちろん、その可能性はあります。
しかし、可能性としては、学年の中で中位~低位位置するようなる可能性のほうが、若干高いでしょう。
それよりは、志望の学校でしっかり頑張って、学年の中で上位位置していたほうが、ずっといいのではないでしょうか。

実は、これは、実際の体験基づく話なのです。
何を隠そう、私自身の体験です。
私は、自身の中学受験おいて、志望志望も落ちました
志望の攻玉社中学校入学しました。
普通なら、落胆したり、意気消沈したりするところなのでしょう。
しかし、私は、とく落胆も消沈もしませんでした。
新しい中学生活を意気揚々とスタートさせました。
そして、1学期の中間試験は、学年200名強の中で、1位でした。
ほぼ、全科目1位。
10教科近くの平均点が、96点くらいでした。平均点が、です。
中学入ってから塾通ったわけでもないし、特別な勉強をしたわけでもありません。
、日々真面目勉強し、真面目授業を受け、真面目テスト臨んだ結果が、それだったのです。
期末も、総合3位。
その後、高校3年生で卒業するまで、上がり下がりはありましたが、平均して、学年200名強の中で20~30位以内をキープしていました(1位をキープするのは無理でしたが)。
結果として、学力別のクラスでも、高3までずっと、特別クラス在籍することができました。
私立中高の先生方は、優秀な生徒をほしがっています。
これは、当然のことです。
だからこそ入試を実施するわけです。
そんな中で、1位~30位くらいの生徒は、当然ながら、先生方からも高く評価されます。
何かつけて、ほめてもらうことも多くなります。
学級の中で、普通先生方ほめてもらえるだけではなく、朝礼の壇上で全校生徒の前で表彰されたり、コンテストで入賞したり……そういう機会が、必然的増えていきます。
そうしてその生徒は、学校の中での自己の存在価値を実感し、自己の重要感を高めていくことができるようなるのです。
もし、志望のA中入っていたら、もしかしてもしかすると、その逆を歩む結果となった可能性があります。
そう考えると、どうでしょう。
志望で、むしろよかったのではありませんか?
もっと言えば、第2志望も第3志望も全て落ちて、地元の公立中に通うことになったのだとしたら、自己の存在価値を実感できるこうしたチャンスは、最大限に高まるのです。
こんなに楽しみなことは、ありません。
意気揚々と、公立に通い始めてください。

私は、先に書いたよう、多くの先生方ほめてもらいながら、6年間を過ごしました。
中2のときは、英語スピーチコンテストで学年3位。
高1の6月は、英検2級合格して表彰。
高3のときは、読書感想文コンテストで最優秀賞。
そして、先生方への感謝と尊敬の念も、高まりました。
これは、自慢でもなんでもありません。
志望校、志望入学することなり、やや落胆気味の子どもたちの未来も、同じようなチャンスが広がっています。
もし志望進学したらかなわないかもしれない多くのチャンスが、待っています。
私は、私の事実を書くことで、それを伝えたいのです。
自己の重要感を得ることは、何もまして、成長のエネルギー源となります。
今や世界の誰もが知っている名著『人を動かす』の著者、デール・カーネギーは、その中で、心理学者ウィリアム・ジェームズの言を紹介しています。
「人間の持つ性情のうちで最も強いものは、他人認められることを渇望する気持ちである」
そして、こう続けています。
「ここで、ジェームズが希望するとか要望するとか、待望するとかいうなまぬるいことばを使わず、あえて渇望するといっていること注意されたい。これこそ人間の心を絶えずゆさぶっている焼けつくような渇きである
この、他者認めてもらいたいという気持ちが充足され、自己の重要感が得られたとき、人は、変わるのです。
私がもし、今から33年前の2月、志望の中学校合格していたとしたら……重要感を満たされる機会が減り、不満を抱きながらの中高生活を送る結果なったかもしれません。
そして、早稲田大学入学することもなく、まったく別の人生を送ることなったかもしれません。
中学入試は、たしか、人生の転機です。
しかし、第1志望受かることが、イコール、最高の転機であるとは、言いきれないのです。

そうそう、もう1つ。この故事成語を知っていますか。
人間万事塞翁が馬
人間、あるできごとの価値がいつ逆転するか分からないから、必要以上に喜んだり悲しんだりしないほうがよいという話です。

ぜひ、前向き
明るい未来が、きっと、待っていますから!!

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