2018全国学力テスト中B大問1三はデキる子がバカを見る悪問だ

横浜・山下公園にて撮影

2018全国学力テスト ピンポイント分析

2018年4月17日実施/平成30年度全国学力・学習状況調査
問題等(公式)問題等(新聞社)

公式のほうは、著作権に触れる文章が全部カットされています。
今回取り上げる文化庁国語課が書いた文章までカットされているのは疑問ですが。
一方、新聞社のサイトには全文が載っています。ですから、新聞社のほうでダウンロードしてください。
そしてひとまず、問題(中学B/大問1/三)を解いてみてください。「天地無用」という言葉について述べられた文章です。

以下、ツイート転載▼

2018全国学力テスト(中B)大問1の三。理由を問うているのに、字数指定がない。これは冒険だ。
そもそも理由(因果関係)というのは、どこまでも細分化できるもの。ただでさえ採点が難しい。なのに字数指定をしなければ内容が散漫になるばかり。
いったいどんな採点基準を設けているのか、と解説を見たら、なるほど超ユルい基準になっている(笑)これならまあ、採点自体はラクだ。
でも逆に、細密な因果関係を再構築した人がバカを見るとも言える。精度の高い答案も、精度の低い答案も、どっちもマルになってしまう。結局は悪問。
問三の答案を作る際に本文を読んでいて一番引っかかるのは、実はこの部分。

「落書き」や「立ち入り」とは違って、「天地」という言葉自体には 「してはならない」というような内容がありません。

ここを正確に抽象化して読み解くことができたとしても、それが採点に反映されない。ひどい話だな。
ここでは、次のような問いこそ本当は価値がある。正解率は恐ろしく低くなるだろうが。

【「落書き」や「立ち入り」とは違って、「天地」という言葉自体には 「してはならない」というような内容がありません】とあるが、これはどういう意味か。説明せよ。

大学入学共通テストプレテストの結果などによって、記述を課すことの難しさが次々と明るみに出る中で、今回の全国学力テストは「採点基準を大幅にユルめる」という奇策に出たわけか。やれやれだな。

以上、ツイート転載▲

さて、それではその「価値ある問い」の答えは?

「落書き」「立ち入り」は「落書きするな」「立ち入りするな」というように禁止する対象としての行動が存在するが、「天地」はそもそも行動を表さないため、禁止する対象としての行動も存在しないということ。

――だからこそ、「無用」がついてもそれが禁止の意味とは読み取れず、役に立たない・いらない・用がないといった意味に取られかねない。
といった文脈なのですね。
以上、ピンポイント解説でした。

参考情報 国語読解で「なぜですか」という問いばかり与えるのは愚かだ 

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